週末には食事をしよう



寮の電話に、一度だけ自分宛に掛かって来たことがある。
相手はひどくイライラしていて俺が出た途端怒鳴ってきた。
何故怒っているのか分からなくて問いただせばまた怒鳴り声が聞こえてきた。
「あんたのせいでひとり蛆虫みたいになってんのよ!一度くらい帰ってきなさいよ!」
誰の事かは、なんとなく分かった。
あれだ。
そういえばもう半年も会っていないのだと、管理室にある扇風機をぼんやり眺めながらゆっくり受話器を置いた。
きっとサンジはつまらない意地を張っているのだ。
あいつはいつもそうだ。
でもその意地の原因が分からない。
自分が選ぶべき道を選ぶのに何の問題もないと思ってした事は、サンジを怒らせてしまった。

わっかんねぇ

俯いて呟いた。
あんな奴、きっと気が向けばへらへらしながら此処へ来るんだ。
そう勝手な思い込みをしながら階段をゆっくり昇っていった。
夏虫のうるさい夜。





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